究極のカット技術といわれるエフィラ-ジュカットは美容師をめざす者にとって魅力あるものであることは間違いないものである。
ヴォリームを調整し、長さを調整し、立体感を作り出して髪形を作り出すカット技術を、デザインの一つの要素として考えるなら、エフィラ-ジュほど最適なカットテクニックは他に見当たらない。
セニングシザーなどで得られる単純な表現とはわけが違う。
頭の曲線をしっかり捉えられ、一掴みの毛束、わずか数十本の髪の毛の積み重なりが織り成して、生き物のような運動感を表す。それは究極のデザインを創りだす原点だ。 エフィラージュされた髪は繊細であり、しかもダイナミックだ。
実物を見れば、この二つの形容が矛盾ではなくみごとに融合した関係であることがわかる。
多くの美容師がエフィラージュカットは髪を削ぐ技術である、と誤解をしている。
真実のエフィラージュカットはデザインを創りだす技術なのだ。
野性的なスタイル「ソバージュ」で世界を魅了したその背景には髪が乱れる事が美しい、と言う発見があった。美しさは一定ではない。髪が常に動き、表情を変化させてやまないときに、いっそうの美しさが発揮される。
エフィラージュされた髪には、動き続けようとするエネルギーと留まろうとするエネルギーが混在している。不思議な世界だ。
再現性の高さが生まれる所以は、そこにある。
どんなに髪を乱れても、それが「美しい」。そんなカットが今までにあっただろうか。
この美しさを手に入れるために必要なのは、技術の時間を短縮することではない。すぐれたデザインと再現性、そして原型を保ち続ける力を創りだすクリエーションなのだ。
この上なく研ぎ澄まされた感性から生まれたカット、【エフィラージュ】
美容師ならこれに触れずにはいられない。
日本公式エフィラージュカットアカデミィ代表、brut et plus プロデューサーとしてサロンを経営。
1974年生まれ。玉川大学卒。山野美容学校卒業。パリでジャンマルク・マニアティス氏に直接師事。シャンゼリゼ近くのマニアティス本店「マルブフサロン」でフランス人スタッフとともに3年間研修。マニアティス・独自の「エフィラージュカット」をマスター。マニアティス氏から、日本におけるアカデミィチーム代表に認定された。日本におけるマニアティスのフラッグシップ・サロン「表参道サロン」のトップスタイリストとして活躍。その後のエフィラージュカットの日本における公式アカデミー主宰。成城学園に、brut et plusとして拠点を移し、現在に至る。